早いもので2021年も残すところあとわずか。2022年が目前と迫ってきました!
2021年の最後のブログは、たまこが2021年に読んで面白かった本ベスト5を選んでみました!
※2021年に発売された本ではなく、あくまでたまこが2021年に読んだ本でございます
①綾辻行人『緋色の囁き』〈新装改訂版〉
名門・聖真女学園高校の「開かずの間」で、少女が死んだ。「魔女」という謎の言葉を残して──。
美しくも残酷な連続殺人劇の、それが幕開けとなる。
転入生・冴子の心にひそむ“赤い記憶”の秘密。夜ごとに少女たちを襲う殺人者の正体は?
鮮血と狂気に彩られた「囁き」シリーズ第一弾、待望の新装改訂版。
昭和の全寮制女子高生で起きたオカルトめいた殺人事件。
閉鎖的な環境な学園は異様な雰囲気が漂い、女生徒たちは“魔女”に怯える。
思春期女子特有の不安定な心情がうまく描かれていて、ホラー的でありながら現実にも有りえそうなところがより怖さを煽る。
ホラー感たっぷりなミステリー作品。
②阿津川辰海『蒼海館の殺人』
学校に来なくなった「名探偵」の葛城に会うため、僕はY村の青海館を訪れた。政治家の父と学者の母、弁護士にモデル。
名士ばかりの葛城の家族に明るく歓待され夜を迎えるが、激しい雨が降り続くなか、連続殺人の幕が上がる。
刻々とせまる洪水、増える死体、過去に囚われたままの名探偵、それでも──夜は明ける。
新鋭の最高到達地点はここに、精美にして極上の本格ミステリ。
災害が迫りくるの中で起こる殺人事件。自然災害によって作り出された大規模なクローズドサークルは殺人事件の恐怖を上回るハラハラ感を演出している。
トリックも凝っていてミステリーとして大満足な1冊。
高校生探偵葛城と助手田所が悩んでるシーンが多いので、前作の『紅蓮館の殺人』を読んでないと分からないところもある。
シリーズ一作目『紅蓮館の殺人』も面白かったので、そちらから読むことをオススメする。
③宮園ありあ『ヴェルサイユ宮の聖殺人』
1782年5月──ブルボン朝フランス王国が黄昏を迎えつつある頃、国王ルイ16世のいとこにして王妃マリー=アントワネットの元総女官長マリー=アメリーは、ヴェルサイユ宮殿の施錠された自室で刺殺体に遭遇する。
殺されていたのは、パリ・オペラ座の演出家を務めるブリュネル。
遺体は聖書をつかみ、カラヴァッジョ「聖マタイと天使」に血文字を残していた。そして、傍らに意識を失くして横たわっていたのは、戦場帰りの陸軍大尉ボーフランシュだった──。
細やかなフランス歴史をベースに、探偵役の公妃と大尉のおもしろバディもの!
ミステリーを通すことでフランスの時代、身分、宗教、芸術の光と闇を汲み取りやすくなり、フランスの世界観にどっぷり浸かれる。
文章が読みやすく、難しそうで敬遠していた歴史についてもするする頭に入ってくる。
ぱっと見たポップなイメージとは違い重厚な作品。
④潮谷験『時空犯』
私立探偵、姫崎智弘のもとに、成功報酬1000万円という破格の依頼が舞い込んだ。依頼主は情報工学の権威、北神伊織博士。なんと依頼日である今日、2018年6月1日は、すでに1000回近くも巻き戻されているという。原因を突き止めるため、姫崎を含めた招集メンバーは巻き戻しを認識することができるという薬剤を口にする。再び6月1日が訪れた直後、博士が他殺死体で発見された……。
同じ日がループしててさらに殺人事件まで起きてしまうSF系ミステリー。
ループする世界観がしっかりした設定のあるSFで小難しい感じ怯むも、文章が上手なためすんなり理解できる。
ちょっと難しそうなループ設定に殺人事件が加わるが、ごちゃごちゃせずスッキリ読みやすい。
SF初心者にもおすすめなループものミステ
リー!
⑤斜線堂有紀『楽園とは探偵の不在なり』
二人以上殺した者は“天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。細々と探偵業を営む青岸焦は「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱に誘われ、天使が集まる常世島を訪れる。そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。かつて無慈悲な喪失を経験した青岸は、過去にとらわれつつ調査を始めるが、そんな彼を嘲笑うかのように事件は続く。犯人はなぜ、そしてどのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。最注目の新鋭による、孤島×館の本格ミステリ
特殊設定×ミステリー!
天使がいる世界は天使ルールにより連続殺人は起きえないはずだった。
天使により殺人事件が減少する世界は一見すると平和になったように思えるが、新たな闇も出てきてしまう。
“天使”とは、正義とは、を考えさせられる。まるで哲学のようで面白かった。
ミステリーとしても特殊設定をうまく生かしておりとても面白かった1冊。