つっこみどころが多い? ぬいぐるみたちは良い子なの?
ドラえもん映画18作品目『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の感想を書いていきます!
公開 1997年3月8日
上映時間 99分
オープニングテーマ「ドラえもんのうた」
作詞 楠部工
編曲·作曲 菊池俊輔
うた 山野さと子
エンディングテーマ「Love is you」
作曲 矢沢永吉
編曲·作詞 高橋研
うた 矢沢永吉
作曲・編曲 菊池俊輔
うた 大山のぶ代、こおろぎ'73
ざっくりあらすじ
ドラえもんのひみつ道具「命のねじ」で命を吹き込まれた馬のぬいぐるみパカポコ。のび太はパカポコに乗って空地で遊ぶも、空地は狭く満足に遊ぶこともできなかった。
そんな状況にもかかわらず、スネ夫が愛馬自慢していたことに見栄をはり「牧場をもっている」とのび太は嘘をついてしまう。
何とか牧場を用意しようと考えていると、ドラえもんが22世紀の福引きハズレ券を大量に持ち帰ってきた。
福引きハズレ券は小惑星が貰える券で、どこでもドアで牧場に使えそうな小惑星を探しはじめる。
どの星も崩れそうなクズ星だったが、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんが牧場見学に来た時に向かった福引き最後の小惑星は緑溢れる無人の星だった。
のび太たちはこの無人の星でパカポコのように「命のねじ」でぬいぐるみやオモチャに命を吹きこもま星を開拓していく。
この星をオモチャたちの星「ねじ巻き都市(シティ)」として発展させていく。
しかし、誰もいないはずの森から「出ていけ出ていけ」という声が聞こえたり、突然の嵐と落雷に見舞われてしまう。
その落雷の影響でぬいぐるみの中に高い知能を持つ存在が現れはじめ、ねじ巻き都市は更なる発展をとげる。
そんな平和なねじ巻き都市に脱獄犯の熊虎鬼五郎が来てしまった。
鬼五郎は「たまごコピーミラー」で出来たたくさんの鬼五郎コピーたちを率いてねじ巻き都市を乗っ取ろうとしてきた──。
前科百犯の熊虎鬼五郎
今作の敵は脱獄犯! 前科百犯の熊虎鬼五郎が脱獄し、野比家に侵入してどこでもドアからねじ巻き都市へと来てしまいます。
無人、広大な土地、謎の大金塊とこれらを利用し大儲けを企み、星の乗っ取りを企てる大悪党です。
前科百犯というありえない凶悪設定と、現実的な欲深い動機での敵対は夢のような星であるねじ巻き都市とはミスマッチな気もします。
謎の大金塊に終われる中、鬼五郎たちとドラえもんたちは一緒に金塊から逃亡もします。
しかし宇宙に逃げて燃料不足で立ち往生してしまったときです。ねじ巻き都市に戻るため爆発の勢いで宇宙船をとばし星へ戻る
計画を実行する際、鬼五郎は爆発のそばにドラえもんたちを縛って置いていってしまいます。
残酷! 爆発源の側、残り少ない爆発までの時間、外は宇宙空間といままでも命の危機はあってもここまで死に近い危機は珍しいケースかなと思います。
ホクロさんが縄を緩めていたおかげでギリギリ脱出するも、ドラえもんは意識不明でしずかちゃん、、スネ夫、ジャイアンは小惑星のうえで途方に暮れてしまいます。
のび太は大地割れに落ちていてこの場にはいません。一番ドラえもんに詳しいのび太の不在で、ドラえもんの故障への対処が遅れたのも納得です。
結局、のび太がスペアポケットからドラえもんの元に来るという「ドラえもんのび太とブリキの迷宮」と同じ方法でドラえもんと合流。全員が無事にねじ巻き都市に戻ってくることができました。
ドラえもんのポケットについてジャイアンたちがどのくらい詳しいのかはそのお話お話でばらつきがあるように感じますね。
そのことでドラえもんに自称詳しい子供時代の私は「ああすればいいのに~。こうすればいいのに~。」とやきもきしたものです。
なんやかんやあり。ねじ巻き都市乗っ取りに実力行使で襲ってきた鬼五郎たちをやっつけます。
増えた鬼五郎のコピーたちをまとめ一人に戻すと、出てきたのは優しい人格のホクロさんでした。改心し自主を約束して地球へと帰っていきました。
勝手に増えたコピー+本物の鬼五郎をまとめてひとつにしていましたが、たまごコピーミラーって本体から魂とりだして分割でもしてるのでしょうか?
本体以外のコピーを消すのではダメだったのかちょっと気になるところでした。
何はともあれ、改心したホクロさんには良い未来があればいいなと思います。
前科百犯で脱獄の罪も重なったらどれだけの刑期になるのかはわかりませんが。
種を撒く者は神様?
ねじ巻き都市には謎の大金塊がありました。その大金塊は形をかえ鬼五郎やドラえもんたちを追いかけまわしますが、その正体は種を撒く者だったのです!
星に生命の種を巻き様子をみる存在。本人からすると神様とは違うらしいですが、人間からみれば神様ですね。
ねじ巻き都市の種を撒く者は地球や火星にも種をまいた方でした。
火星は小惑星の激突で失敗、地球はまだ分からないもいう、唐突な地球ディスがきます。
火星や地球の失敗からねじ巻き都市の星は植物の楽園にしようとしていたところにのび太たちが間違って来てしまい、追い出そうとしていました。「出ていけ出ていけ」と囁いたり落雷とかです。
またこの星の植物は心を行動であらわすことができるため、環境を守ろうとするぬいぐるみたちの意識の高さからか植物たちにも受け入れられ大地割れに落ちたのび太も植物が助けてくれました。
そのことで種を撒く者は「植物を大切にする君達にならこの星を任せられる。みんなで力をあわせればきっと乗り越えられる」とのび太に託しどこかへ旅立ってしまいました。
鬼五郎VSのび太たちの戦いの真っ只中ですべてを託してどこかにいってしまうところが神様らしいです。
鬼五郎が勝ってしまったらどうしたんだろう?
ねじ巻き都市のぬいぐるみたちは自然を大切にする良い子たち?
命のねじで動けるようになったぬいぐるみたち。それをさらにたまごコピーミラーで増やしたドラえもん。
落雷が原因で高い知能をもつぬいぐるみたちも生まれ、彼らの影響で普通のぬいぐるみたちも少しずつ知能を持つようになっていきました。
選挙で市長を決めたり、土からつくった環境に良い建物(しかも建設にたった1日)、ジャイアンとスネ夫に環境破壊行為をやめるように進言もします。
ねじ巻き都市の星の植物たちとも意志疎通をとっていて、植物にも住み良い星にしようというぬいぐるみたちは地球人が見習うべきあり方のように描かれています。
でもぬいぐるみたちは本当に良い子なのでしょうか?
ぬいぐるみたちが会議中、街の近くの森に宇宙船が墜落してきます。
この時点ではドラえもんの道具だと思っているぬいぐるみたち。森が破壊されたことに怒っていて一言もの申そうと宇宙船に近づきます。
そして墜落した宇宙船に対してのぬいぐるみ市長ピーブの第一声が「ドラえもんさん酷いじゃないですか」です。
えぇー! 明らかに墜落しているのに乗っている人の心配は一切無し?
植物には優しいのに命を与えてくれた恩人とも言えるドラえもんたちには厳しすぎない?
このことがどうしても気になってしまいました。
いざと言うときに人間性(ぬいぐるみ性)ってでますよね。
まとめ
自然あふれる無人星の開拓とぬいぐるみたちの都市。ドラえもんの道具であればもっとメルヘンちっくに出来ただろうにわりと現実的な工事と敵である脱獄犯のミスマッチ感。ぬいぐるみの良い子のようで人間に厳しいところなどつっこみどころは多いかもしれません。
ただドラえもんによくある、自分たちの好きに星を都市をつくっていくというのは秘密基地をつくるようなワクワク感があって大好きです。誰もがもつ子供心をくすぐられるでしょう。
以上、映画『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』 たまこ の感想でしたฅ(´꒳ `ฅ)ꪆ
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