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竹本健治『これはミステリではない』-本格ミステリー好きにはおすすめできない!SF感ある世界観

 

まさにタイトル通り『これはミステリではない』なミステリー小説。
本格ミステリーを期待するともやもやするかもしれない。

 

 

『これはミステリではない』

「読者への挑戦状」――!!
しかし、それは誰がためのものなのか?
「これまで僕が書いてきたなかでも最大級に歪(いびつ)」――竹本健治

ミステリ界の金字塔『匣の中の失楽』『涙香迷宮』の鬼才が放つ最新作!

香華大学ミステリクラブの夏合宿で悲劇は起きた!
メンバーをモデルにした犯人当て小説「読んではいけない」の問題篇が披露された翌日、小説通りに湧き起こった濃霧のなかで、出題者は解決篇の原稿とともに消え去ってしまう。
偶然同じ施設に居あわせた「汎虚学研究会」の高校生たちも渦中に巻きこまれ、事件の謎に挑むことになるが、肝腎の探偵はやる気なく、誰彼なくおかしな夢を見るばかり――。
果たしてこの重構造の事件で問われているのは何か。そんな問いなどどこにもないのか。

ミステリ最大のタブーは快楽となり得るのか――
それともここにあるのは作家・竹本健治の終焉か!?


竹本健治

講談社

初版 2020年7月13日
全238ページ

 


作中作ミステリー

ミステリクラブ所属の大学生たちが合宿で毎年恒例の謎解きゲームを行う。
代表者が執筆したミステリ小説を部員が読み犯人を当てるゲームのため作中作が登場する。
この作中作があるため前半はわりと定番ミステリーらしい展開でとても面白い。

 


好みが分かれそう

前半で作中作という定番ミステリーを感じるけれど、『これはミステリではない』というタイトルの通りこの小説はミステリーではない。
いや、一応はミステリーなんだけども不思議な世界観なのだ。

幻想的な描写と作中作と事件解決への現実といろんな世界が交じりあうストーリーはまるでSF小説のようだ。
読後感ふわふわしてる。嫌いではない。
しかし、本格ミステリーを期待して読むとガッカリするかもしれない。

 

謎は残る

最初は犯人も動機も推理も納得しかけるのだが、よくよく考えてみると謎だらけな気がする。だからミステリーとは言い難い終わりでもやもやするのだが。
調べてみると『こらはミステリではない』は『汎虚学研究会』(2012年)シリーズ2作目のようだ。前作を読めばさらに理解が深まるのかな?


まとめ

まさに『これはミステリではない』タイトル通りのお話。
ミステリーにSF小説のような独特の世界観に何とも言えない読後感は、個人的には好きだけれども本格ミステリーを読みたい人にはおすすめしません。


以上、竹本健治『これはミステリではない』 たまこの感想でした🐯