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吉田恭教『MEMORY 螺旋の記憶』-オカルト×ミステリーが凄惨な殺人事件をさらに複雑化させる!


槇野・東條シリーズ第6弾!
オカルト×ミステリーの一筋縄ではいかない事件を女刑事東條と探偵槙野が追う!
シリーズものと知らずに読んだが、問題なく楽しめた。オカルト要素は怖くはないがグロい描写が少しあるので苦手な人は注意しよう。

 

MEMORY――螺旋の記憶 (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)


『MEMORY 螺旋の記憶』

鏡探偵事務所を訪ねてきたのは九年前に奇妙な依頼を持ち込んだ女性だった。
そして新たな調査を依頼する。「失踪した息子を探して欲しい。息子の失踪には前回の調査が関係している」と―。
当時の調査記録を元に調査を開始した槇野だったが、九年前の調査で訪ねた人物が二年前に塩素ガスで殺害されていたことが判明。
一方の東條は、奥多摩の山中で発見された凄惨な逆さ吊り殺人事件を追っており、報道で被害者の身元判明を知った槇野から、その被害者が九年前に調査した案件の関係者であることを教えられるのだった。
元刑事の探偵・槇野康平と「捜一の鉄仮面」と呼ばれる刑事・東條有紀の捜査が再び交差する本格ミステリー。

カバーそで より引用

吉田恭教

南雲堂

2020年10月27日刊行


解説 波多野健

全332ページ

 

 

「槇野・東條シリーズ」


探偵槙野と女刑事東條のシリーズもので、『可視える』『亡者は囁く』『鬼を纏う魔女』『化身の哭く森』『亡霊の柩』、そして槇野・東條シリーズ第6弾の『MEMORY 螺旋の記憶』である。

私はシリーズものと知らずに『MEMORY 螺旋の記憶』を読んでしまったが、過去シリーズを読んでいなくても問題なく楽しめた。

これまでのシリーズもミステリー×オカルト事件のようで、ホラーなミステリー小説として面白そうなので過去シリーズも読んでみようと思う。

 

刑事と探偵の信頼関係

女刑事東條は、奥多摩の山中で発見された凄惨な逆さ吊り殺人事件を追っていた。
身元がわからないほど惨殺された死体に、探偵槙野の依頼人が自分の探し人ではないかと心配する。
東條に確認の連絡を取り始めてから、二人が追っている事件には関連があるかもしれないと槙野は思い始める。
それはあまりに突拍子のない推測であり、普通なら信じられないものだった。
事件解決へと協力し合うべきだと判断した槙野はこの信じ難い仮説を東條にも情報提供することにした。
東條は半信半疑ながらも槙野からの信じ難い仮説をもとに捜査していく。

警察と探偵というそれぞれの立場から捜査していく様子は、過去シリーズを読んでいなくても東條と槙野が仕事上において信頼しているのがわかる。

 

螺旋の記憶

タイトルの『MEMORY 螺旋の記憶』から想像できる通り、このお話には前世の記憶が鍵となってくる。

現在の人間関係に前世の人間関係も絡み合い、序盤は登場人物の多さと時間軸の前後が少し把握しにくいが、物語が進んだ中盤から終盤にかけては一気に読みきれてしまう。
前世というのはオカルト面での怖さはないけれど、殺害方法が残酷で死体描写もやけにリアルで少しグロいので苦手な人は注意が必要かもしれない。

 


以上、吉田恭教『MEMORY 螺旋の記憶』 たまこの感想でした🐯