Amazonの紹介欄でジャンルがサスペンス、ドラマ、ホラーだったのでホラー分類にしたけども、ホラー感はほぼない。
ヒューマンドラマ的なサスペンスなので怖くないためホラー苦手さんも大丈夫。
これからこの映画を見る人はネタバレは絶対に見ないように注意しよう!そういう映画だ。
『ペイン 魂の叫び』
(原題:Leave)
【製作年】
アメリカ 2011年
【上映時間】
81分
【製作国】
アメリカ合衆国
【監督】
ロバート・セレスティーノ
【出演】
リック・ゴメス
フランク・ジョン・ヒューズ
ブライアン・クランストン
【ジャンル】
サスペンス
ドラマ
ホラー
あらすじ
小説家ヘンリーはここ6か月ほど毎晩同じ悪魔に苛まれていた。
その夢は、深夜に自宅に侵入してきた男に襲われナイフで何度も刺されるという内容だった。
美しい妻がいて、仕事も成功していて、友人にも恵まれ、ヘンリーは幸せを実感しているのに何故悪夢を見るのか。
ヘンリーはカウンセラーの勧めで1人旅に出ることに──。
ネタバレ無し感想
この映画は何の前情報もいれないで見た方がいい。
↓理由はAmazonのあらすじにあるラストの一文で察してほしい。
美しい妻に愛される小説家のヘンリーは公私ともに充実、その幸せを実感していた。
だが、ここ6か月ほど同じ悪夢にうなされ続けていた。
それは真夜中、家に侵入した男に突然襲われ、意識が遠退く中、ナイフで何度も刺されるというものだった。
予想外の結末に驚愕するサスペンス・スリラー!Amazonより引用
とりあえずジャンルはホラーではない。
Amazonの紹介欄でジャンルがサスペンス、ドラマ、ホラーだったのでホラー分類にしたけども、ヒューマンドラマ的なサスペンスなので怖くない。
1時21分と上映時間も短めなので、ちょっとでも興味があるならもう見ちゃおう!
なかなか楽しめたので見て損はないかなと思う。
ネタバレ有り感想
ネタバレ! オチについて
小説家ヘンリーは自分が男に刺されて殺されるという悪夢に6か月もうなされていた。
カウンセラーや妻、友人の後押しもあり気分転換に1人旅に出ると、若い頃に自殺したはずの兄と再会する。
しかし、その兄はどこか不思議な雰囲気だ。
なぜなら兄のクリスはヘンリーが作り出した存在だったのだ。
兄クリスだけでなく、この世界のすべてはヘンリーが創造したものだった。
現実でヘンリーは6か月前に胃ガンで手術をしていた。
いまヘンリーが創造している世界は「早期発見で手術と化学療法で経過良好」の世界だ。
現実ではその手術では手の施しようのないくらい癌が進行していて、手術から意識回復せず自宅で生命維持装置のような機械をつけられモルヒネ投与されていた。
終末緩和ケアのようだ。
悪夢を見始めて6か月。
この6か月の生活すべてが「生死の狭間」の世界でヘンリーの創造した世界。
そしてそれを理解したヘンリーが死を選ぶというオチだった。
夢オチ映画でしたね。夢というか生死の狭間だけど。
夢オチは嫌いじゃないからこの終わりに不満はないけれど、途中で自殺して死んだはずの兄との再会あたりで「これヘンリーも死んでるんじゃ?」と思い始めていたためラストに衝撃を感じなかった。
もっとラストのラストで「実は──」くらいの大どんでん返しを期待していた。
Amazonのあらすじ文に『予想外の結末に驚愕するサスペンス・スリラー!』とあって期待が大きかっただけにちょっと残念だった。
死生観
木の葉は信念を持って枝から離れる。そして堂々と地面に落ちる。
好きな詩としてクリスがヘンリーにこの詩を教えた時は「早く死ねと言ってるの?」と、詩そのものも怖いものに感じられた。
最後にヘンリーが自分の意思で死を選ぼうとした時、死の選択を後押ししてくれたこの詩が「死ぬのは悪くない恐ろしいことではない」と教えてくれている気になった。単純。
何度か兄のクリスが「僧侶のようだ」とヘンリーに言われていたからか、死生観が禅のように感じられた。
禅に詳しくないからなんとなくそう思っただけだが、死の受け入れ方が絶望ではなく旅立ちの一歩というのがよかった。希望がある気がする。
全体的に穏やかな印象の物語
男にナイフで刺される悪夢を6か月も見続けるヘンリーと、ちらほら謎の男の影もあり怖そうな雰囲気が漂い……そうで漂っているだけな感じ。
怖くはないホラーでもない。
謳い文句の「恐怖が心を蝕んでいく」というほど主人公ヘンリーは恐怖に蝕まれてたかな?あまり伝わらなかった。
ホラーを期待していて見始めたのでそこは残念だが、サスペンスとしてゆったりと楽しめた。
これはヘンリーが死を受け入れるまでの過程であり、死そのものも恐怖感もなく穏やかな旅立ちとしてすんなり受け止められる。
なかなか良いストーリーだ。
不穏さが漂いながらも全体的に穏やかな印象だった。
ヘンリーが旅の道中で再会した兄のクリスは19歳で自殺したはずだった。再会を喜ぶよりも自殺した兄を責めるようなヘンリー。
当時まだ14歳だったヘンリーにとって兄は頼れる偉大な存在であり、その兄の自殺はショックだったのだろう。
兄の自殺を責めていたヘンリーと、ラストで夫ヘンリーの死を受け入れるエイミーが
対照的で印象深かった。
意識朦朧で寝たきり状態のヘンリーに「眠ってもいいわ逝ってもいいわ」と泣きながら寄り添うエイミーにもらい泣きした。
大切な人が亡くなった状況も年齢もそれぞれで、残されたヘンリーやエイミーのどちらの心情もわかる。どちらが正しいとかはない。
この映画はヘンリー自身が死を受け入れる物語だけではなく、大切な人を亡くした残された側の人間の物語でもあった。
まとめ
ホラーではない。サスペンススリラーとあるがヒューマンドラマ要素が強い。
不穏さもありつつ穏やかな雰囲気で、観了後にいろいろ考えさせられる映画。
期待していなかったがなかなか面白かった。
81分と短めなので気になっているなら見てみよう!
以上、映画『ペイン 魂の叫び』たまこ の感想でしたฅ(´꒳ `ฅ)ꪆ
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