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櫛木理宇『虜囚の犬』- サスペンス要素強めミステリー!残酷な虐待描写がグロい

 

初っぱなからグロい残虐なシーンがありグロ耐性ない人にはオススメ出来ない作品。
サスペンス要素強めのサスペンスミステリー

 

 

 


『虜囚の犬』

穏やかな日常を送る、元家裁調査官の白石洛は、友人で刑事の和久井から、あるじけんの相談を持ち掛けられる。
白石がかつて担当した少年、薩摩治郎。
7年後の今、彼が安ホテルで死体となって発見されたという。
しかし警察が治郎の自宅を訪ねると、そこには鎖につながれ、やせ細った女性の姿が。なんと治郎は女性たちを監禁、虐待し、その死後は「肉」として他の女性に与えていたという。
かつての治郎について聞かれた白石は、「ぼくは、犬だ」と繰り返していた少年時代の彼を思い出し、気が進まないながらも調査を開始する。

史上最悪の監禁犯を殺したのは、誰? 戦慄のサスペンスミステリー!

帯より引用

櫛木理宇

KADOKAWA

初版  2020年7月9日

全381ページ

 

 


サスペンス要素強め

虐待、監禁、洗脳、エロ、グロ、胸糞悪い描写のオンパレード。
登場人物たち人生があまりに酷くて可哀想なのだが、現実にこのような状況にある人がいそうなのがまた怖い。
残酷さに読むのが辛い気持ちもあったけどページを捲る手が止まらなかった。読ませるのがうまい。

虐待は連鎖するのか? なぜ残虐な行為をするのか? 子供時代の経験が人格形成にいかに影響を与えるかを考えさせられた。

グロ耐性ない人にはオススメ出来ないが、ミステリー展開なのが読み進めやすい。

 


「どんでん返し」のサスペンスミステリー


帯の謳い文句が「どんでん返しのサスペンスミステリー」なのだが、どんでん返しかなぁ? どんでん返しではないと思った。
そもそもサスペンスミステリーの「サスペンス」要素が強いためミステリー感が少ない。
どんでん返しを期待して読むとがっかりするかも。


どんでん返し

大方の読者や視聴者の予想を大きく裏切ったり、一旦終結したかに見えたストーリーを大きく覆したりするような結末が用意されているものが典型である。
どんでん返しはエンディングに限らず、次々に事態が変遷し、推測、推理が何度も覆されていく様態を意味する場合もある。

Wikipediaより

 

主人公・白石の存在

元家裁調査官の白石はある事情で仕事を辞めて主夫(厳密には主夫ではないが)をしている。
家裁調査官という仕事は大勢の非行少年少女と係わってきただろうに、白石の心は優しすぎる。少年少女の更正を諦めない白石が残酷な物語の救いでもある。
白石の存在がエログロ残虐な事件だけではない温かな希望あるストーリーにまとめてくれた。

 

まとめ

エログロ虐待監禁残虐な事件のサスペンスミステリー。
最初から残虐なシーンがエグいのでグロ耐性ない人にはオススメ出来ないが、読み進めるとページを捲る手が止まらない。
サスペンス要素強めでどんでん返しはあまり感じられなかった。どんでん返しを期待しないで読みましょう。


以上、櫛木理宇『虜囚の犬』 たまこの感想でした🐯