加賀恭一郎シリーズ第一作品目!
大学生の群像劇ミステリー
『卒業』
卒業を控えた大学4年の秋、一人の女子大生が死んだ。親友・相原沙都子は仲間とともに残された日記帳から真相を探っていく。
鍵のかかった下宿先での死は自殺か、他殺か。
彼女が抱えていた誰にも打ち明けられない秘密とはなんだったのか。
そして、第二の事件が起こる。
刑事になる前の加賀恭一郎、初登場作品。裏表紙より引用
加賀恭一郎シリーズ第一弾
(昭和61年5月刊行されたもの)
全371ページ
大学生の群像劇
大学生という溢れる自信と驕傲、不安定さを一番感じる年頃特有の群像劇がいい感じに不信感を煽って面白い。
自分たちの友情は確かなものですべてを知っているはず……しかし、友人が死んだことで実は何も知らないということに気がつく。
仲良しの親友も恋人もたとえ親兄弟や夫婦だとしても自分以外の人間のことなんか分かるわけがない。分かってると思い込んでいるだけなんだと考えさせられた。
大人になって分かる。大学生は子供とは言わないがまだまだ未熟な大人なのだ。
儚いラスト
お話は文句なしに面白いのだが、儚い切ないラストにもやもやする。やりきれない思いだ。
第一の祥子の自殺事件、第二事件の茶道雪月花之式の最中に起こる毒殺事件と剣道の試合の八百長疑惑。
それぞれの思惑が複雑に絡まる。
何が最善だったのかは分からないけれど真実を追求した加賀は正しかったと思う。
まとめ
加賀恭一郎シリーズ第一作品目。大学生の加賀恭一郎の周りで殺人事件が起こる。友人が死に友人の中に容疑者がいる。
若さ溢れる群像劇の切ない終わりに読了後しばらく引きずってしまった。
いろいろ考えさせられた一冊。おすすめのミステリー作品。
以上、東野圭吾『卒業』 たまこ の感想でした🐯