めっちゃ面白かったのでお薦めです!
掘り出し物映画。ループものホラー風サスペンス映画『残酷で異常』の感想を書いていく。
『残酷で異常』(2014年)
(原題:Cruel & Unusual)
【上映時間】
91分
【製作国】
カナダ
【監督】
マーリン・ダービズビック
【出演者】
デビッドリッチモンド - ペック
ベルナデットアキバ
ざっくりあらすじ
小太りな中年男性エドガーは見知らぬ場所にいた。
強制的にグループカウンセリングを受けさせられ、犯していない妻殺害の罪を追求される。
そこは永遠に妻殺害の現場再現される奇妙な建物だった。
ネタバレ無し感想(まだ映画を見てない人はこちらだけ見て)
「ループもの」の低予算あふれるB級映画で期待低めで見ていたが、とっても面白かった!
久しぶりに 面白かったー!! と満足感が得られた映画だったのでみてない人お薦めです。
↑このジャケットとタイトルはだいぶ損している。
このジャケットの場面は映画の象徴とは言えないし、タイトルもマッチしてない。
これではホラー&グロテスクな映画に思われてしまうが、この映画はほんのりホラーなサスペンスなのだ。
『Cruel & Unusual』そのまま訳したから日本語では微妙なニュアンスが伝わらないのかもしれない。
(私は英語まったく出来ないのでCruel & Unusualの英語ネイティブの感じる本当のニュアンスは分からないが。)
とにかく、『残酷で異常』というのは重すぎる。
映画の内容は確かに残酷でもあり異常でもあるがそれは精神的なことだ。
残酷な人間の一面、やるせなさ無力さについて考えさせられる映画、見終わった後のカタルシスがよい。
「ループもの」は何回も同じ場面の出来事を繰り返すため途中でダレてしまいがちだ。そのため苦手ジャンルだという人もいるだろう。
『残酷で異常』はループしつつも少しずつ明かされる妻殺害の謎、奇妙な空間からの脱出という前向きに行動するエドガーに最後までドキドキしながら見ることが出来るため、ループものであるがダレることなく楽しめる作品だ。
また、人間関係のサスペンスとしても良くできており、見る人によって何に感情移入するか誰に感情移入するか分かれるかもしれない。
色んな視点からの感想がありそうなので、見終わったあとは映画について誰かと語り合いたくなる。
まだ見てない人はぜひ見よう!
ネタバレ有り感想
あのグループカウンセリングの建物は地獄なのだろうか。
犯した罪を繰り返し体験させられるのは辛い。 罪を受け入れた先にも次なる地獄があるのか?
気になることだらけだが、地獄なら曖昧で何でもありだよねと受け入れられるため上手い設定だ。
主人公エドガーの妻殺害は事故ともいえる。
妻メイロンがエドガーに毒を盛り、救急車を呼ばないように電話を渡さない妻にのし掛かり窒息死させた。
そしてエドガーは毒で死亡してあの地獄の建物にいた。
もしエドガーが生きていたら、正当防衛が成立していただろう。地獄側の判定基準はかなり厳しいと思われる。
エドガーは妻殺害は事故であり自分には罪はない、そう確信してドリスを巻き込んで脱出を図った。
ドリスは70年代に自殺した若い母親。
エドガー的には自殺は罪ではないと考えていたようで、ドリスはここにいるべきではないと言い脱出仲間に選ぶ。
他の人には自殺は重い罪のように言われていたのはキリスト教的考えなのかもしれが、「自殺の罪」で「殺人の罪」と同じループをさせる罰は重いんじゃないかなーと思っていた。
映画ラストで、エドガーは異常なほど愛していた妻メイロンに夫毒殺の罪を負わせないため自殺した。
自殺しそうなドリスを助け、ドリスが首を吊ろうとしていた縄で自殺するエドガー。
今度は「自殺の罪」でグループカウンセリングにエドガーはいた。妻メイロンを守れたことを誇らしげにして。
そして自分が何故このグループカウンセリングにいるのか分からない新人の世話する立場になったのかな? という終わりだった。
もしかしたら「自殺の罪」の人間は微妙な殺人(エドガーのような事故よりな殺人をしてしまった人)を救済するポジションなのか?
うまく救済できたら自殺しない世界を生きられる……だったらいいなぁと私が勝手に想像して楽しんでいるだけで根拠はないけどね。
一方、自殺の罪ドリスはエドガーに首吊りを止められ、自殺しなかった世界を生きて年齢を重ねていた。
エドガーが首吊りした木に墓参りに来たメイロンたちを相手にしたお婆さんはドリスだった。
自殺の罪のタトゥーが腕にあったので間違いない。
これはドリスが戒めのために現世で自らタトゥーを入れたのか、地獄で入れられたタトゥーが消えなかったのか謎だ。
映画で一番の謎だったのはこの『木』である。
妻殺害の罪で始めてループしたエドガーはドライブ中だった。
妻が生きていることに混乱しながら車から降りて『木』のもとに駆け出し『木』を触りながら「ループしている」とエドガーは気付いた。
この『木』ってエドガーが首吊りした『木』だよね?
妻殺害の罪の始めてのループで、どうして何の特徴もない普通のこの『木』でループを確信したのだろう。
もしかしてこの約1時間30分の映画すべてが『首吊り自殺の罪』のループだったのか?
謎だらけだけれど面白かったな。
ここはどうだったんだろう?
何でだろう?
と良い意味で考察することを楽しめた。
まとめ
とっても面白い掘り出し物映画だった!
オススメなのでまだ見たことない人にはぜひ見て欲しい。
いろんな人の感想が聞きたくなる。見たら映画について呟こう!
以上、映画『残酷で異常』たまこ の感想でしたฅ(´꒳ `ฅ)ꪆ
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