さすが長年愛され続けている作品だけあって期待を裏切らない面白さだった!
『そして誰もいなくなった』
その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!
強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。
新訳決定版
裏表紙より引用
訳 青木久惠
解説 赤川次郎
2010年11月15日発行
(初版1939年)
全387ページ
超有名古典ミステリー
やっと『そして誰もいなくなった』に手を付けた!
あまりにも有名作。読んだことがないのに大体の話の内容を知っている。
クリスティ作品だし有名だし面白いんだろうなと確信しつつも「なんとなく知ってるしお楽しみはあとにとっておこう」と、読むのを後回しにし続けたのは私だけではないと思う。
ようやく読了して真っ先に思ったのは「やはり想像通りだった!」ということ。
ミステリー小説ではクローズドサークルで連続殺人が起こると「これってまるでクリスティの『そして誰もいなくなった』みたいじゃない?」と恐怖する場面がよくある。
名探偵コナンやら金田一少年の事件簿のアニメでも似た話があり子供の頃から触れてきた。
最もオマージュされているミステリー作品ともいえる超有名作品だ。
一人ずつ消えていくんでしょ? 誰もいなくなった=全員死んでしまうんでしょう?
その通り!!!! この作品に限ってはいまさらネタバレもなにもないだろう。
ただ、これだけ知っていてもやはり面白い!
現代でも通用しそうな設定なのも長年愛され続ける理由だろう。
この殺人は緻密か稚拙か
よくよく考えると無理があるトリックが多いように思う。
まず招待した人間が全員この島にやってきたことが奇跡すぎる。
死人がでてパニック状態になっていたとしても、人数が多い場をコントロールしきれず破綻しかねない綱渡りな連続殺人。
全員が犯人の思惑通りになっている前提な犯行だと思う。もし銃が一丁ではなく複数あって持ち主が隠していたら? 天気が良くなったら? その他にも考えたらきりがない。
特に後半の残りの人数が減ってしまってからは運によって殺人が実行できている部分が多い。
頭の良い犯人にしては現場での犯行は行き当たりばったりなのだが、なぜか緻密な犯行だったと思わせられて終わったのは見事だ。
サイコパスと正義感
物語の舞台となった兵隊島に集まった10人はみな過去に人を殺していた。
法では裁かれない殺人を犯したと思われる者への正義の鉄槌を振るう犯人。
兵隊島で罪悪感から懺悔する人もいたが過去に本当に人を殺したのかは不明な人もいる。
もともとサイコパスの片鱗を持った人間が正義感をこじらせたゆえの犯行。
殺人を正当化するために法では裁かれない犯罪者がいないか調べ、集めやすい人間を呼んだだけで動機が正義感のためだけとはいえない。
私が復讐もの漫画を読みまくっているからかターゲットになった9人よりもっと酷い罪を逃れた殺人犯とか狙ってくれ!と思った。
極悪犯が権力で揉み消した系のやつとか!
絶対、今回のターゲットになった9人よりもっと酷い罪を逃れた殺人犯とかいただろ!!
まとめ
あまりにも有名な古典ミステリー。
“なんとなくこんな話でしょ?”と展開を知っていても楽しめる。
さすが長年愛され続けている作品だけあって期待を裏切らない面白さだった!
以上、アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』たまこの感想でしたฅ(´꒳ `ฅ)ꪆ