SF映画で時代劇！
クレヨンしんちゃん映画３作品目『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』の感想を書いていく。
クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望
公開 1995年4月15日
上映時間 94分
監督 本郷みつる
脚本 原恵一
オープニング「オラはにんきもの」
作詞 里乃塚玲央
作曲 小杉保夫
編曲 加藤みちあき
エンディング「たすけてケスタ」
作詞 井上望
作曲 小杉保夫
編曲 林有三
うた 杉本幸子
ざっくりあらすじ
30世紀のタイムパトロール隊員リング・スノーストームはタイムマシンでパトロールをしていると戦国時代の日本に異変を察知する。
調査に向かおうとしたリングだが謎の時空魚雷に狙われ、なんとか攻撃を振り切り時空間から脱出した先は現代の野原家の地中だった。
タイムマシンが故障し身動きがとれないリングは、地中から緊急非常用のマイクロマシンを使い、野原家のペット・シロの体を借りて、野原家の3人とコンタクトをとることに成功する。
平凡な日常の朝だった野原一家は突然シロが喋りだしたことで一変した。
シロを通して会話するリングに「一緒に戦国時代へ調査に行ってほしい」と懇願される。
野原一家はお気楽に頼みを引き受け、緊急用タイムマシンでシロと16世紀の戦国時代に向かう。
着いたのは春日部城の焼け跡だった。
そこで謎の敵に襲われ、1人の少年に助けられる。
少年は春日部城主の嫡男・吹雪丸。
春日部城は雲黒斎の手により攻め滅ぼされてしまい、襲ってきた敵は雲黒斎の手先だった。
吹雪丸は一族に古くから伝わる「城が危機に陥ったとき、3人と1匹の勇士が現れ、危機を救う」との言い伝えから、野原一家に協力を求める。
承諾するシロと拒絶するひろしとみさえだったが、野原家の全財産の入ったバッグを奪われてしまったためと吹雪丸に協力せざるを得なくなってしまう。
野原一家の武器はしんのすけのギルド30世紀の万能ジャージの変身機能だけだった。
雲黒斎から送られてくる刺客を倒しながら一行は雲黒城を目指すが、ひろしとみさえはビー玉に変えられてしまう──。
SF映画として
今回はタイムパトロール隊員リング・スノーストームが襲撃を受けるところから始まった。
雲黒斎こと未来人ヒエール・ジョコマンの歴史犯罪を阻止するため、野原一家は戦国時代へタイムスリップする。
ひとつ言いたいのは、リング・スノーストームはなぜ緊急用タイムマシンで戦国時代に向かったのか？
30世紀に助けを求めに行ったら即解決だったのではないか。
それはおいておいて、吹雪丸とともに戦国時代で雲黒斎を倒し、現代へと帰還した野原一家だったが現代日本はヘンテコな世界になっていた。
戦国時代の戦いだけで終わらなかったのがSF映画らしくて良かったと思う。
吹雪丸たちとお別れした時点で映画としても満足度は高かったが、そこからラスト15分での現代日本での近未来的戦い。
それまでの時代劇から真逆の世界観で巨大ロボット大戦で締めたのはクレヨンしんちゃんらしい終わりだった。
吹雪丸たちとのお別れ+平和な日常でも満足はしたと思うが、それではあまりに時代劇すぎる。
アニメ映画のクレヨンしんちゃんとしてはラスト15分に凝縮されていた。
それでいてちぐはぐな印象は受けなかった。
ちゃんとSFして時代劇してクレヨンしんちゃんな映画にまとめあげられていて、とても面白かった。
時代劇としても面白い
戦国時代での話が映画の大半を占める作品で、時代劇としても素晴らしい出来だった。
子供向けとは思えないクオリティだ。
ただ時代劇によせすぎて子供には分からない部分も多かったのではないかと思う。
吹雪丸の喋り方はちゃんと古めかしい言葉使いだったのは好感だが、子供には伝わらないだろう。
雰囲気で流れを読めるから別に平気かな？
しんのすけたちもいたが単騎で雲黒城に乗り込む姿はかっこ良く、城主の跡継ぎとして戦い、女としての葛藤と吹雪丸はヒーローでありヒロインだった。
クレヨンしんちゃん映画の中で一番過激かも
今作は戦国時代が舞台ということで、時代劇らしく刀での戦いもある。
吹雪丸はばんばん切っていく。血が流れる描写こそないが、こんなに人間が死ぬのもクレヨンしんちゃん映画としては珍しい気がする。
温泉地で襲ってきた甲冑の大男フリードキン・珠死朗に至ってはしんのすけが銃で撃っている。
命を狙われていて世界を守るための戦いで「人を殺すな」というのは難しく、時代劇の世界観だからこそリアリティーある戦いで私は好きだった。
未来や宇宙での戦いならなんか麻痺銃とか笑いが止まらない銃とかで平和的捕縛が出来そうだけどね。
ラストの巨大ロボット大戦での決着は野原一家がヒエール・ジョコマンを黒焦げ(死んではない？)にして勝利する。
クレヨンしんちゃん映画で一番過激描写な作品かもしれない。
まとめ
タイムスリップというSF映画としても、時代劇としてもつくりこまれた素晴らしい作品だった。
私は時代劇大好きなので『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』はクレヨンしんちゃん映画の中でも大好きな作品になった。
以上、映画『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』 たまこ の感想でしたฅ(´꒳ `ฅ)ꪆ
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