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アガサ・クリスティー『スタイルズ荘の怪事件』-名探偵ポアロ第1作品目&アガサ・クリスティのデビュー作品

 

『スタイルズ荘の怪事件』

かの有名な名探偵ポアロ初登場作品であり、アガサ・クリスティーのデビュー作

 

 

『スタイルズ荘の怪事件』

 

旧友の招きでスタイルズ荘を訪れたヘイスティングズは、到着早早事件に巻き込まれた。屋敷の女主人が毒殺されたのだ。難事件調査に乗り出したのは、ヘイスティングズの親友で、ベルギーから亡命して間もない、エルキュール・ポアロだった。不朽の名探偵の出発点となった著者の記念すべきデビュー作が新訳で登場。

裏表紙より引用

 

ポアロシリーズ第1作目

アガサ・クリスティ

訳  矢沢聖子

(1920年刊行されたもの)

全361ページ

 

 

1920年頃の英国

作中設定が「戦時中」とあり、その文字だけ読んで第二次世界大戦だと思い込んでいた。
しかし『スタイルズ荘の怪事件』の刊行は1920年だが執筆は1916年にされているため、作中設定の「戦時中」とは第一次世界対戦のことである。
どうりで登場人物が語る“英国から見た外国のイメージ”に違和感があると思った。

第一次世界大戦時代の英国の描写が面白い。貴族の階級社会がある古い歴史のような雰囲気と現代へと移り変わる匂いも感じられる。

 


ベルギー人のエルキュール・ポアロ

ベルギーで優秀な警察官だったポアロは、第一次世界大戦によりベルギーから亡命しスタイルズ荘がある村で暮らしている。

『スタイルズ荘の怪事件』でのポアロはベルギー人避難民として共同生活をしており探偵という職業ではない。

英国が舞台のためベルギー人避難民のポアロは「外国人」だ。
外国人だから神経質で独特な言い回しをしても「変わった外国人ね」程度で済まされ、なかなかに厄介な人物なはずのポアロがお茶目にすら見える。


ポアロの友人ヘイスティングス


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スタイルズ荘で殺人事件が発生し、たまたま事件に巻き込まれたヘイスティングスが友人のポアロに捜査を頼んだことで名探偵ポアロぶりが発揮された。

このヘイスティングスという男は過去にベルギーでポアロと出会っており、警察官だったポアロの推理力に敬服していた。
ポアロに憧れていたヘイスティングスは、自身で推理して探偵のように活躍することに憧れをもっている。
『スタイルズ荘の怪事件』の捜査過程では秘密の多いポアロにやきもきしてヘイスティングスは独自に行動したり推理したりしていく。
名探偵シャーロック・ホームズと助手のワトスンのような関係になれるのか気になるところである。

 

まとめ

アガサ・クリスティーによる名探偵エルキュール・ポアロ シリーズ第1作品目『スタイルズ荘の怪事件』
第一次世界大戦時代の物語は「憧れの英国」といった雰囲気も感じとれる。だからと言って古くささは感じない。ポアロが鋭い観察眼で推理していく王道ミステリーは安心安定の面白さだった。

 


以上、アガサ・クリスティー『スタイルズ荘の怪事件』 たまこの感想でした🐯