たまこのとられこblog

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方丈貴恵『孤島の来訪者』−シリーズ2作目!特殊設定SFミステリーは宇宙人!?

 

“竜泉家の一族”シリーズ第二弾!

 

シリーズ一作目『時空旅行者の砂時計』とストーリー的繋がりはないためこの二作目から読むこともできはする。

しかしシリーズ順に読んだ方が楽しめる!!

 

 


孤島の来訪者 〈竜泉家の一族〉シリーズ

 

 

 

『孤島の来訪者』

 

謀殺された幼馴染の復讐を誓い、ターゲットに近づくためテレビ番組制作会社のADとなった竜泉佑樹は、標的の三名とともに無人島でのロケに参加していた。島の名は幽世島―秘祭伝承が残る曰くつきの場所だ。撮影の一方で復讐計画を進めようとした佑樹だったが、あろうことか、自ら手を下す前にターゲットの一人が殺されてしまう。一体何者の仕業なのか?しかも、犯行には人ではない何かが絡み、その何かは残る撮影メンバーに紛れ込んでしまった!?疑心暗鬼の中、またしても佑樹のターゲットが殺され……。

 

カバー袖より引用

方丈貴恵

2020年11月27日発行

東京創元社

全339ページ

 

特殊設定ミステリー

 

SF系特殊設定ミステリ。

前作の『時空旅行者の砂時計』はタイムトラベル要素を盛り込んだSFミステリーだったが、『孤島の来訪者』の特殊設定SF要素は宇宙人!!!

 

今回、前作のキーパーソン的だったマイスター・ホラは物語には一切登場しない。案内人として読者への挑戦状を出す。まるで世にも奇妙な物語におけるタモリさんのような立ち位置だ。

殺人犯の宇宙人は人に擬態でき、さらには特殊能力を持っているため犯人特定が容易ではない。

さっきまで話ししていたこの人も宇宙人にすり替わられているかもしれない…という疑念は拭えず、このままでは世界中が宇宙人に侵略されてしまう!

地球の未来も主人公たちの肩にかかっている。

そんな重責にも負けずぶれない主人公がよかった。

 

前作同様、あまりに突拍子のない展開をすんなり読ませるのがうまい!

 

 

前作との繋がり

 

 

今作『孤島の来訪者』の主人公は竜泉佑樹。

彼は前作主人公・加茂冬馬の妻である竜泉伶奈のイトコだ。

竜泉家には死野の惨劇(前作での事件)から「この世界は不思議に満ちている。どんなにありえないことでも起こり得る」という家訓ができており、この訓えのため竜泉佑樹も宇宙人という存在を柔軟にに受け入れパニックにならずに対応していく。

 

前作とストーリー的な繋がりはないけれど、主人公が竜泉家の人間であること物語案内人がマイスターホラという前作での重要なキャラであることから、シリーズ一作目の『時空旅行者の砂時計』を先に読んでおいた方がより楽しめるだろう。

 

 

ぶれない主人公

 

幽世島の秘祭のテレビ撮影に来ている一行が事件に巻き込まれる。主人公の佑樹はテレビクルーとして参加して謀殺された幼馴染の復讐を企てていた。ところが復讐のターゲットが先に殺害されてしまった。

人ならざる殺人犯に恐れることなく、むしろ主人公はターゲットをとられたことを悔しがる。

設定が凝っているだけにぶれずに復讐心を持つ一貫性が読みやすくてよかった。

納得の(?)動機もあり主人公の復讐がうまくいって欲しい気持ちと手を汚してほしくない気持ちとで倒叙ミステリーとしても楽しめる。

 

 

まとめ

 

今回の特殊設定は宇宙人SFミステリー!

復讐しに来ていた主人公は宇宙人より先にターゲットを殺害できるのか!? 倒叙ミステリー系でもあり展開も早く飽きずに楽しめる

 

まずはシリーズ一作目『時空旅行者の砂時計』を先に読むことをおすすめします!

 

 

 

以上、方丈貴恵『孤島の来訪者』たまこの感想でした(ΦωΦ)