加賀恭一郎シリーズ第4弾!
『悪意』
人気作家が殺された。逮捕されたのは第一発見者で親友の野々口修。彼は犯行を認めたが、決して動機を語らない。
やがて部屋から大量の未発表原稿や被害者の前妻の写真が見つかり、意外な動機が浮かび上がる。観念した野々口はすべてを手記として書くが、それは、あらゆる人間関係を根底から覆すものだった。裏表紙より引用
解説 桐野夏生
講談社
2001年1月15日発行
(単行本1996年9月刊行)
全365ページ
あらすじ読むべからず!
加賀恭一郎シリーズの4作目だ~と、あらすじも読まずに何の前知識もなく『悪意』を読了。
読了後にあらすじを読んでみると、小説の7割ネタバレしててビックリした。これは読み始める前にあらすじを読んでなくて良かった。
もちろん、あらすじ読んでてもミステリーの面白さはあるけども、前知識無しのほうがより楽しめる!
まだ未読の方はあらすじは読まずにとりかかろう!
ひたすらホワイダニット!
かなり早い段階で犯人は逮捕されてしまい、「え! もう終わり?」と驚いた。
もちろん終わりではない。
ここから加賀恭一郎がひたすらホワイダニットを捜査する。
加賀刑事のあまりのしつこさに、犯人が罪を認めているのに“動機”がそんなに重要なのだろうかと疑問に思ってしまった。
ましてや犯人と被害者が子供時代からの親友ならこれといった動機はなくとも、積もり積もった結果の殺人だったとも考えられるのだから。
しかし、最後の最後どんでん返しで加賀刑事が解き明かした“犯人の動機”に身の毛もよだつ人間の『悪意』を見てしまった。
ただのホワイダニット特化ミステリーでは終わらない、さすが東野圭吾作品と思わせる物語だ。
「悪意」
動機は「悪意」によるもの。
殺人を犯すくらいなのだから「悪意」があるのは当然のことである。
複雑な犯人心理ではない。「悪意」はどんな人間でも少からず持っている感情なのだ。
「悪意」があったから殺害したのか、「悪意」のために殺害したのか。
殺人が些細なことに思えてしまう人間の悪意の恐ろしさがこの作品にはあった。
まとめ
加賀恭一郎シリーズ第4作品目!
ホワイダニット特化ミステリーは、あらすじは読まず何の前知識も無しに読んでほしい作品。
シリーズものだから……と読まないのな勿体ない。加賀恭一郎シリーズはどこから読んでも話は分かるので、気になったらぜひ読んでみて!
以上、東野圭吾『悪意』 たまこの感想でした🐯