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太田忠司『遺品博物館』-読みやすい連作短編ミステリー

 

普段あまり本を読まないけど読書したいな~という読書初心者さんにオススメなのが短編集。

『遺品博物館』は連作短編集で一編が短い軽めのミステリーなので、隙間時間や就寝前にちょこちょこ読むのにぴったりな一冊!

 

 

 

 

 

『遺品博物館』あらすじ

遺品博物館の学芸員は言う。
「遺品博物館は、その名の通り遺品を収集する博物館です。古今東西、様々な遺品を収集しております。選定基準については諸事情によりお話できません。ただ、一つだけ申し上げるなら、その方の人生において重要な物語にかかわるものを選ぶことになっています」

遺品博物館の学芸員、吉田・T・吉夫が出会った八つの死の風景に隠されたさまざまな謎。
死者と生者を巡る連作ミステリー。


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読書初心者さんにも読みやすい一冊


ホラーっぽいのかなと手に取ったが、ホラーのような怖さはまったくない。
亡くなった人の人生と残された遺族の間にも物語があり、それが軽めのミステリーになっていて面白い。
人の死を扱う作品だけれども、重苦しくはなくあっさり読める。

一編が短めで読みやすいため読書初心者さんにもオススメの作品。


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8つの連作短編集ミステリー

 

遺品博物館に遺品の寄贈を希望した人が他界した。
遺品博物館学芸員の吉田・T・吉夫は博物館に寄贈する遺品を選定しに遺族のもとに行く。
選定基準は寄贈者の人生において重要な物語にかかわるものであること。

8つの短編は8人の亡くなった寄贈者の人生とその遺族たちの物語でもある。


寄贈者本人が「コレが私の人生を表すものよ!」と遺品を決めるのではなく、第三者学芸員が「寄贈者の人生において重要な物語にかかわるもの」を選ぶのが面白い。
学芸員が何を寄贈品として選ぶのかを一緒に考えるのも楽しい。


もし自分が遺品博物館に寄贈する立場だとしたら、人生を表す物として何を選ばれるのだろうか?  

 

 

学芸員の吉田・T・吉夫

服装は貧相でもなく高級でもない、きっちりした印象の男で30代にも50代にも見える。学芸員吉田に会った人はみなこのように評した。

善悪に対して頓着せず、遺品博物館への遺品選定の仕事を淡々とこなすのみ。そこに吉田の感情は見えない。
特徴があるような無いような人物である。

何となく『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造のように感じる。(詳しくないから勝手なイメージだけど)


名前の「T」も気になるところだ。
彼について何の説明もないことから続編も出るのではないかと期待している。

 

まとめ

連作短編集で読書初心者さんにも読みやすい。一編が短めなので毎日ちょこちょこ読むのにぴったり。
内容も暗すぎず重すぎすの軽めミステリーなので、寝る前の読書にオススメの一冊!

 


以上、太田忠司『遺品博物館』たまこ の感想でした🐯